2週間の備忘録 〜パリの真ん中で外出制限〜
長い長い3月がようやく終わりを迎えようとしています。(体感2ヶ月あったような。。笑)
今、コロナウイルスの影響で全世界同時に今世紀最大で最悪な状況が続いています。
私の生活も180度変わり、今後の予定が全てが白紙になりました。
フランス国内にコロナウイルが拡大感染し始めたのは2月後半から3月ごろでした。
3月になってから感染者は日々増加。しかし3月初旬は1000人を超える程度でした。
こんな事態になるとは誰も想像もしてはいませんでした。
政府から政策が発表された3月12日から今日までの日々を備忘録として書き留めます。
ちょっと恐ろしいけど、フランスの感染者数も記録しておきます。
これは恐怖を与えるものではなく、これだけの感染力を持っているのだということを知って欲しいのです。
3月12日 感染者:2876人
マクロン大統領は3月16日以降無期限で幼稚園から大学までの全ての教育機関の封鎖を宣言。また、『極力外出を控えること』と『仕事も在宅勤務に切り替える』ように自粛要請をしました。
外出だけ言えば、この時はまだ今の日本と同じく「自粛」なのです。
ただ、学校は全て封鎖。私の学校もそうです。いつまで授業がないのかも不明です。
この時ようやくフランスの感染状況が悪くなっているという事を自覚した人が多くなったように思います。
3月14日 感染者:4499人
3月15日からフランス全土レストラン・バーなどを含む商業施設の営業停止を政府は要請しました。
そこで、国民がとった行動は、
「食料の備蓄」
いずれ、フランスもイタリアのようになってしまう。そうなる前に食料を備蓄して置かなければ、と多くの人たちがスーパーへ駆けつけました。もちろん、私もそうでした。
スーパーには沢山の人が訪れ、米やパスタ、パスタソース、トイレットペーパー、長期保存出来るものの殆どが店頭から消えました。
きっとそれは人間の本能のようなものだと思います。それは、仕方ありません。
でもこの事で学ばなければいけないのは、食料は少しずつ備蓄していく、もしくは人が少ない時間を見計らって買い物に行くなど予防を考えて行動することも大事だと思いました。
しかし、3月15日フランス各地では久しぶりに青空になり15℃を超える春日となりました。そのことにより、日光浴が大好きなフランス人は公園や川に集まりました。
そのことがニュースで報道され政治家や評論家からは怒りの声も上がりました。
3月16日 感染者:6633人
この日から学校封鎖が本格的に始まりました。
そしてこの日マクロン大統領がテレビ演説をするという噂とともに、フランスでは様々な噂が流れました。
「今日から1ヶ月半の外出禁止令が出るかもしれない」「外に行けなくなるかもしれない」
そのような噂が流れました。もちろんそれは私の耳にも届きました。
その事により、人々の不安はかなり煽られました。
パリから逃げるように人がいなくなったのも事実です。(私には逃げる場所もありません笑)
パリの狭いアパートに居たくない人が多いようです。(その気持ちは痛いぐらい分かる笑)
よって、パリにある主要駅には人で溢れました。
もちろん長期滞在を有意義に過ごせる場所があるなら行くのはいいのですが、その前にそこに行くまでのリスクや行ってからのリスクも考えるのも大事だと思いました。
3月16日20時
政府公式番組が国家「マルセイエーズ」と共に始まりました。
この番組はアロキューションといい、大統領だけが許された、国民に直接演説できる唯一の機会で、この時の番組視聴率は86.6%だったようです。またこの番組の多くは、国家の一大事にしか使用されません。そして、ノーカットで主要地上波、ラジオ、ネットで一斉放送されました。
この番組が放送されるということは、
余っ程の事態がこのフランスでは起きているということです。
演説内容は・・
◉17日正午より2週間の罰則付きの外出制限
◉17日正午よりEU及びシェンゲン圏への入境を閉鎖・EU域外の国とEU域内の国の間の移動を30日間停止。
◉市町村選挙の延期
◉コロナウイルス対策に集中するため年金改革を含む現在進行中の改革を一時中断すること。
◉中小企業の為の家賃,光熱費,税金徴収の一時停止。そして分的失業の拡大,起業家,手工業者,商人のための,国による連帯基金の設立にも言及。
◉軍による臨時医療施設の建設
このような内容でした。
そして、演説中に何回も発言したのは
「Nous somme en guerre(私たちは戦争状態にある) 」ということです。
このこと演説により、今までの全ての状況が一変。
ようやく一人一人が国の一大事として捉えるようになったのです。
3月17日正午 外出制限・国境封鎖が開始 感染者数:7730人
これからどうすれば・・・
「学校の再開はいつになるのか」「果たしていつ通常の生活に戻るのか」「卒業はできるのか」この時点では不安でいっぱいでした。9月入学のフランスでは、あと3ヶ月分授業が残っています。この先のことを考えて行動しなければいけないそんな大事時期なのです。
就活というものがないフランスでは、自分で仕事を見つけなければいけません。そのためには、インターンをしたり自分の作品を作ったりと範囲を増やしていかなければいけない時期なのです。
最初の2日間ぐらいは、よくわからない味わったことのない感覚に襲われて寝れな日もありました。それでも、2日目を過ぎたあたりから「もう仕方ないから」とようやく自分の中で踏ん切りがついて、如何に有意義に時間を過ごすのかというところにシフトチェンジしていきました。
外出制限後の街の様子
17日の段階では、まだ人は外に出ている感じでしたが平日の人の多さではなく週末の朝のまだ人が少ない時間帯のような感じでした。
実際には外出制限発令後18日から違反者への取り調べを始めたようです。
発令から週末までの間で反発するように規制を破って罰金を払った人も多いようですが、
そんなことをしても意味がないと悟ったのでしょうか。
それとも、罰金を増やして効果が出たのでしょうか。
週明けには通りにはほとんど人がいなくなりました。
外出制限から1週間経った
3月23日 感染者:19,856人
外出制限が発表されて数日後、外出許可証を携帯した向かったスーパーにはいつもの様に食料が並んでいました。パスタもパスタソースもお米もお肉も魚も全て揃っていました。
ちゃんとスーパーの物は届けられています。スーパーもいつも通り営業しています。
この状況の中でも日々私たちの生活を守るために働いている人がいること、本当に感謝しなければいけません。
外出制限の中違反する人ももちろんいます。
ですが、守っている人の方が多いと思います。
今、私は制限の中で知恵を振り絞って毎日有意義な生活送っています。
スーパーのコロナ対策のお話
この状態になって、スーパーは唯一外出時に人が集まる場所です。
その時の徹底されたコロナ対策に驚きです。
フランスのスーパーには買い物カゴもありますが、基本的にはこれは普段から使いません。
フランスのスーパーでは、レジ袋と言うもの殆どがなく、買い物袋を持参してスーパーにいきます。(これを忘れると同じような買い物袋を3~5€ぐらい出して買わなければ行けません。)そのスーパーの買い物を持参しているので、その袋に買うものを入れていきます。
お会計は殆どが自動精算機です。
自分でタッチパネルを操作して買うもののバーコードを当てて、お会計を済ませます。
なのでこの際、人と接することもなく買い物が出来ます。自動精算機のタッチパネルを操作したあとは必ず手指アルコールで消毒していますが、、。本当にこれぐらいです。
コロナの状況が深刻になってきて以降は、スーパーの入場制限がされており、入場を待っている時は人と人の間隔を1m取って1列に並ぶことが徹底されています。
また、お会計の際も自動精算機の場合は2機置きに間隔が取られていますし、レジカウンターの場合は、1カウンター事にビニールの様な幕で被われており、やはり並ぶところにも1m程度の間隔でビニールテープがされています。
さらに、店員さんはマスクと手袋をしてレジやその他の作業をしています。
フランス人がここまで徹底して予防対策を受け入れるのには本当に驚きましたし、日本人の私が関心するほどです。
これから・・
日本のニュースをみて思うことは沢山あります。
私が実感しているのは、最終的には自分の身は自分でしか守れないということです。
全て白紙になったら、また新しいプランを考えればいいと思います。
3月27日 感染者:32,964人
フィリップ首相が外出制限を最低4月15日までの延長を発表しました。
3月30日 感染者:45,169人
外出制限がはじまってあっという間に当初の予定だった2週間が経ちましたが、まだまだ感染者は増え続けています。
まだ、学校再開の目処は経っていないし、どうすることもできませんが、世界中でまだまだ油断できなそんな状況の中、私たちのために懸命に働いている人々に今日も感謝の拍手贈ります。
Next・・・
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